哲学者図鑑
情・変・他・先
願いの伝道者

叶わないと分かっていても、語り続ける

エルンスト・ブロッホ

1885年〜1977年(ドイツ) / まだ、ないだけ

「まだ-ない(Noch-Nicht)」

— 『希望の原理』
彼が書いていた言語を読める読者は、その国に一人もいなかった。
意匠:書き上げた原稿を、誰もいない客席に向けて読んでいる

この人はこう考えた

亡命先のアメリカで、彼はドイツ語で大著を書き続けた。当時それを読める読者はどこにもいない。それでも書いたのは、人間には抑圧されても消えない「もっと良くなりたい」というエネルギーがあると信じたからだ。彼の哲学は一語に凝縮される ──「まだ-ない」。あなたは失敗したのではなく、まだ完成していないだけである。常勤ポストを得たのは63歳のときだった。

入口になる本

本命
希望の原理
エルンスト・ブロッホ/山下肇ほか 訳(白水iクラシックス・全6巻)
1400ページ。読み切る本ではなく、折れそうな日に開く本として持っておける。
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